蔵BAR教育談義(その4)
オランダの学校の話を聞いていて思い出したことがありました。
それは4月、新しい出会いの場。
生徒と教師、お互いのことはまだ見えていません。
だから、生徒はすぐに私のところにきて言います。「先生、教科書忘れました」と。
その言葉を聞いて、その生徒たちがどのように指導されてきたのか、どんな環境で学習してきたのかを想像してしまいます。
私は、「そのこと(教科書を忘れたこと)を私に報告する必要はないよ」と笑顔で言って、生徒を席に戻しました。
オランダでは、忘れ物があると「ナイスアイディアね!」と言って褒められるそうです。
その生徒や周りの生徒が忘れ物に対してどう乗り越えようとしたのかを大切にしている、ということを感じました。
困ったときに「助けて」と言えたり、困っている人がいたら支え合ったりすることができる。
忘れ物という小さな出来事から、私たちが何を目指していきたいのかという大きなビジョンを考えることができると思いました。